Features

Home > Features > Interview > intervew with Breakage

intervew with Breakage

intervew with Breakage

俺たちはハードコア・ミュージックの
最新版を聴いている……

――活気づくロンドンのジャングル・シーンから、ブレイキッジが話してくれた

文:野田 努
通訳:Nick Stone
Mar 03,2010 UP
add Hatena Bookmarkhatena | add delicious | add YBMyahoo | add Twitter

「ダブステップ聴いた?」って訊かれて、「いや、そこまでちゃんと聴いてないけど」って答えたけど彼女が「マーラがそのダブステップの重要人物のひとりなんだよ」って教えてくれたんだ「へぇー」って答えたら「へぇー、じゃなくてマーラって彼よ、マリブ、あなたたち学校一緒だったでしょ!」って言ってきたんだ。

 俺たちはハードコア・ミュージックの最新版を聴いている
 音楽がすべてだ
 俺も君たちも音楽が大好きなんだ
 だから君たちがここにいて、
 俺もかけるのが大好きだからここにいる
 君たちが来なかったら俺はプレイができない
 もっとも重要なのは音楽それ自体
 だからスピーチはここら辺までにする
 いま聴いてもらったのは、
 ジャマイカから来たいちばん熱いハードコアなダブプレート
 ここからテンポとスタイルを変えていこう
 ひと晩通して、一緒に曲を変えて、聴いて、
 楽しもう David Rodigan"Hardcore Music"

 『ファウンデーション』は爆弾だ。この爆弾を東京のあらゆる場所にこっそり仕掛けてやりたい。そしていっせいに爆発させてやろう。情け容赦なく、ロンドンの貧民街でシェイクされ、爆発し続けるハードコアのあらゆる要素が含まれているこの爆弾を。激しい地響きが街をひっくりかえし、火傷しそうなほど熱いコンクリートが最高のダンスフロアとなるだろう。

 ブレイキッジのセカンド・アルバム『ファウンデーション』を聴いていると、この時代のUKのダンス・カルチャーの活気というものが伝わってくる。スピーカーから聴こえる音は体内に注入され、そして身体を熱くする。キングストン経由のベース・サウンド、ダブ、ジャングル、グライム、ダンスホール、あるいはハーフ・ステップや2ステップやダブステップ......まるでビートの見本市のようなこのアルバムには、素晴らしいゲストたちも参加している。大御所ルーツ・マヌーヴァをはじめ、ダブステップのスター、スクリームとキャスパ、グライムのMCのニューアム・ジェネラルズ、昨年メジャー・デビューした女性シンガーのザリフ、そしてブリアル(!)。

 リリース元は、グライムに多大な影響を与えたイノヴェイター、シャイ・エフェックスのレーベル〈デジタル・サウンドボーイ〉。アルバムの冒頭ではUKでレゲエをかけ続けている伝説的なラジオDJ、デヴィッド・ロディガンがスピーチをしている。「俺たちはハードコア・ミュージックの最新版を聴いている......」

『Foundation』はこれまでのあなたの10年のキャリアの集大成的なアルバムなのでしょうか?  

 完全にそうだよ。いままで伝えようとしてたこともすべてこのアルバムに凝縮してるね。過去、現在、未来全部含めて。曲によってははじめた当時の音のものもあれば、いま向かってる方向の音のものもあるから、そうだね、集大成だよ。

ジャングルもダブステップもグライムも混ざっているし、ダブやガラージもある。MCも出てくるし、ダブステップのプロデューサーとの共作もある。でも、最終的にはジャングル色が強いアルバムですよね。シャイ・エフェックス(Shy FX)の〈Digital Soundboy Recording〉からのリリースだからそうなったんでしょうか? それともやはりジャングルがあなたの帰る家だという認識なんでしょうか?

 両方だね。俺もシャイも、テンポとかbpmとかそういうくくりは関係なく、基本的にはジャングルを聴くんだよ。ジャングルのテンポの曲じゃなくてもその曲のバイブズの本質にジャングルがあると思ったら聴く。暴力的な要素とか感情、ディープなだけじゃなくて人を動かす力がないと駄目なんだ。基本的にはジャングルしか作れないんだよ。自分のキャリアのなかでもジャングルしか作ろうとしてないよ。俺のドラムンベースの曲やアルバムのなかでジャングルを感じてくれたのは嬉しいよ!

"Hard"では、ジャマイカ起源のベース音楽の変遷について喋っていますよね。スタイルは違っても同じだと。これはあなたの主張でもあるんですか? つまり、ブレイキッジの音楽もジャマイカ起源のベース音楽の現在形であるという。

 そうだね、俺はダブにはスゴく影響されてるからね。そして"Hard"における(デヴィッド・)ロディガンのあのスピーチを聴いたとき、プロデューサーとしてもそうだけど、DJとしても俺の姿勢を反映してると思った。デカい派手なステージ・ショーをやるわけでもないし、つねに腕を振り回して踊りまくるわけでもなく、良い曲をかけるだけなんだ。自分が良い音楽だと思うものをかけるためにその場に居るんだ。俺が見せたり語るより音楽に語らせたほうが良いんだよ。「俺たちはハードコア・ミュージックの最新版を聴いている。すべてが音楽だからだ。君たちは音楽が大好きで俺も大好きなんだ。君たちは音楽を聴きに来て、俺はかけるのが大好きだからここに来た。君たちがいなければ俺はかけられない......」、あのスピーチ全部が本当その通りだと思うんだ。俺もロディガンを聴いて育ったからね。そして彼の声を使うんだったら意味あること言ってるフレーズを使いたかったんだ。

文:野田 努(2010年3月03日)

123
interview with Yoshinori Sunahara
interview with Yoshinori Sunahara
ミスター・マーヴェリックの帰還―砂原良徳、インタヴュー
interview with Anchorsong
interview with Anchorsong
アンカーソングへのインタヴュー
interview with Seiichi Yamamoto
interview with Seiichi Yamamoto
半径500メートルの永遠のうた
interview with The Raincoats
interview with The Raincoats
憧れのザ・レインコーツに会う......
interview with Buffalo Daughter
interview with Buffalo Daughter
バッファロー・ドーター、ロング・インタヴュー
Turning British  #1
Turning British #1
「Bonoboとの一夜」
DJ NOBU @ Berghain
DJ NOBU @ Berghain
「ノブ君を〈ベルグハイン〉にブッキングするまで帰って来ないから!」
合評
合評
銀杏BOYZ「ボーイズ・オン・ザ・ラン」
TWITTER
TWITTER