2021/06/10 THU 19:00-23:00

Publib Presents 実写版「ヴァイキングメタル・ガイドブック」

■TALK:田村直昭、ハマザキカク(Publib)
■MUSIC CLIP JOCKEY「VJ VIKING METAL ONLY」ハマザキカク|BROADJ#2969

■ノルウェーで勃興したブラックメタルは「反キリスト」を掲げた。しかしキリスト教に拘っている時点で矛盾している。そこで、キリスト教が伝来する前の北欧神話やヴァイキングの栄光をテーマに掲げた「ヴァイキングメタル」という一派が登場する!

勇ましいメロディ、一緒に歌いたくなるコーラス、オールを漕ぐ様にミドルで進むテンポ。ヴィジュアルイメージにも凝っており、ヴァイキング時代を再現したミュージック・ビデオクリップを次から次へと発表。そして徐々にその影響力はヨーロッパ、アメリカ、世界へと伝搬し、世界各国から同様のスタイルを取るバンド達が登場し始める。今回のDOMMUNEではそんなヴァイキングメタルを包括的に紹介した『ヴァイキングメタル・ガイドブック』を記念しての放送。5月27日に放送された『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』と同様、ジャンルを形成させた大御所や各地の人気バンドの音源やビデオクリップを元に、シーンの成り立ちを詳細に解説する。後半のVJで流す予定のまるでコメディ映画の様なユーモラスなミュージックビデオは、メタル愛好家でなくとも笑えること必至である。

「ヴァイキングメタル・ガイドブック」

海の戦士たちの先祖賛歌 世界過激音楽15 松原誉史(著/文)
北欧のヴァイキングをテーマに北欧民族音楽の要素を導入した勇壮なサウンドで人気の高いジャンル、ヴァイキングメタルを掘り下げたガイドブックが登場!HEAVY LORDやBATHORY等の北欧ヴァイキングメタルの始祖的バンドから、ENSLAVEDやTYR、MITHOTYN等のシーンを代表するバンド、新世代のバンドまで徹底紹介!インタビューやディスクガイドも掲載!フォーク、ペイガンへと続く「民族メタル」第1弾!難しい読み方も総ルビ化!

Chapter 1 ヴァイキングメタル黎明期

■Bathory 反キリスト教の矛盾に気づき、早逝したヴァイキングメタルの始祖!
■Amon Amarth 人工言語シンダール語「凶運の山」意味し、ヴァイキングを否認!
■Enslaved ヴァイキングメタルの代表的存在でありながら徐々にプログレ化!
■Mithotyn 知る人ぞ知る、後のFalconerやKing of Asgardの母体となった伝説!
■Einherjer ヴァイキング黎明期築いたミドルテンポ古ノルド語「孤独な戦士」!等、全23バンド。

Chapter 2 ヴァイキングメタル興隆期

■Thyrfing Naglfarの創設者も在籍する北欧神話の魔剣ティルヴィング!
■Tyr フェロー諸島出身、捕鯨文化保護主張しシーシェパードから圧力!
■Turisas 赤黒ウォーペイントが大インパクトのペイガン・バトルメタル!
■Ereb Altor 古スウェーデン語にこだわるエピックドゥーム・ヴァイキング!
■Leaves' Eyes 女性ボーカルなのにシンフォニック・ヴァイキングメタル・キング!等、全40バンド。

Chapter 3 ヴァイキングメタル新世代

■Nothgard メロデスに変化後も雄々しいメロディがヴァイキングメタル系!
■スカンジナビアのヴァイキングメタル不毛国デンマークで奮闘!
■Valhalore 来日も果たしたオーストラリアのエピック・ヴァイキングメタル!等、全19バンド。

Chapter 4 ディスクガイド

Chapter 5  パイレーツメタル

■Running Wild ハンブルク出身、海賊テーマにしてパイレーツメタルの元祖に!
■Alestorm 冗談で「トゥルー・スコティッシュ・パイレーツメタル」標榜!
■Rumahoy エンターテイナーとしてお笑いに走る全員目出し帽着用ラム酒愛好家!等、全9バンド&ディスクガイド。

■そもそも北欧神話とは?

キリスト教化される前のスカンジナビアのゲルマン民族の信仰に基づく神話で、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランドおよびフェロー諸島の神話の総称である。フィンランド人を構成する主要民族のフィン人は、言語的にゲルマン語族とは異なるウラル語族のため、フィンランドの神話は通常含まれないことに注意されたい。詩の形で口承で伝えられ、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが13世紀初期に著した『エッダ』(スノッリのエッダ)、17世紀にアイスランドで発見された『王の写本』(古エッダ)、あるいはルーン石碑などに文字として記録されている。

■北欧神話のあらすじ

原初の時代には、南の方に炎が猛り狂う地ムスペルヘイムと、北の方に雪と氷で覆われた地ニヴルヘイム、そしてその2つの間に巨大な裂け目ギンヌンガガップが存在していただけだった。ニヴルヘイムの泉から流れ出た毒気を含む川エリヴァーガルの水がギンヌンガガップに流れ込んで凍って、ある時それがムスペルヘイムから流れてくる熱気と触れて溶けて滴った。その雫からユミルという巨人が生まれた。毒気が素となっているためこのユミルは邪悪で、彼がどんどん生み出した霜の巨人もまた邪悪であった。
ギンヌンガガップの氷がさらに溶けるにつれて一頭の牝牛アウドムラが生まれ、彼女が氷をなめていると氷塊からブーリという神が出てきた。彼の息子ボルは霜の巨人ボルソルンの娘ベストラと結婚し、二人の間にオーディン、ヴィリ、ヴェーの三人の男神が生まれた。オーディンは北欧神話における最高神で、彼の系譜の神々をアース神族と呼ぶ。彼らはユミルと増え続ける凶暴な霜の巨人族が気に入らず、ユミルを殺害した。夥しい血で霜の巨人の大半は溺死し、オーディンらはユミルと霜の巨人の死骸で世界を創造していった。また、トネリコとニレの木から最初の人間の男女が作られた。そうして、世界樹ユグドラシルの下に3つの平面が作られ、最上層にはアース神族の住むアスガルド、ヴァン神族の住むヴァナヘイム、妖精の国アールヴヘイム、第2層には人間の住むミッドガルド、巨人の国ヨツンヘイム、小人の国ニダヴェリール、黒い妖精の国スヴァルトアールヴヘイム、最下層にはニヴルヘイムと死者の国ヘルヘイムという9つの世界ができた。なお、ヘルヘイムはしばしばニヴルヘイムと同一視され、その場合はムスペルヘイムが9つ目となる。
この世界を舞台としてヴァン神族とアース神族の戦いの話や、ユグドラシルにオーディンが9日9夜自身を捧げてルーン文字の秘密を得る話、神々が不老の林檎を巨人シアチに奪われるが取り戻す話、雷神トールがヨツンヘイムの都市ウトガルドに巨人を征伐に行く話などなど様々なエピソードが語られる。その中には預言者から知識を得たり、賢い巨人との知恵比べの話もあるのだが、そこで世界はやがて終末の時ラグナロクを迎え、霜の巨人との戦いのあと炎の巨人スルトの火がすべてを焼き尽くすことが明らかになる。そういうわけで戦死者を選ぶものヴァルキュリヤは戦場から死んだ戦士(エインヘリヤル)をオーディンの宮殿ヴァルハラに集め、日々互いに戦わせて終末の時まで腕を磨かせているのだ。ところで、オーディンの義理の兄弟ロキは母親が巨人で、悪戯好きでしばしば神々に不利益をもたらす存在だった。彼は巨人アングルボダと交わり、狼フェンリル、蛇ヨルムンガンド、奇怪な色をした女ヘルという3人の子供をもうけた。神々は彼らを脅威に思い、軍神テュールの腕を犠牲にしつつもフェンリルを鎖で縛り上げ、ヨルムンガンドはミッドガルドの周りの海洋に投げ込み、ヘルはニヴルヘイムに突き落として冥府の女王とした。
ある時、オーディンの息子バルドルが悪い夢を見て、預言者によるとそれは彼の死を暗示するものだとされる。バルドルの母フリッグは9つの世界のあらゆるものに彼を傷つけないよう誓いを交わさせるが、ロキはフリッグから巧みにヴァルハラの西に生えている若いヤドリギだけはあまりに若いから放っておいたと聞き出し、そのヤドリギで矢を作った。神々は傷つかないバルドルに投石したり、矢で射たりする遊びに興じていたが、そこに加われていなかった盲目のヘズをたぶらかしてロキはヤドリギの矢を射させ、バルドルを殺害した。バルドルの兄弟ヘルモーズが、ヘルヘイムに向かいバルドルの連れ帰りを試みるが、ヘルは9つの世界のあらゆる者がバルドルのために泣くのであれば彼をアスガルドに連れ戻して良いと伝える。フリッグは再び9つの世界に使者を送り、あらゆるものにバルドルの死を悲しむよう頼むが、ロキが化けた女巨人セックが拒み、バルドルの復活は阻止された。
ロキは復讐を恐れてミッドガルドの不毛の地に隠れるが、すべてを見通すオーディンが神々の一行を向かわせ、ロキは洞窟の岩板に自分の息子ナルヴィの腸で縛られ、上には毒蛇が鍾乳石に繋がれ、彼の顔に毒液が滴るようにされた。
三度の冬が続いたあと、最後の時が始まる。大地は震え、樹木は揺らいで倒れ、山々はぐらつき、崩れ落ちる。そしてあらゆる戒めや足枷は弾け飛び、フェンリルは自由となる。そうしてすべての巨人とヘルヘイムの住人たち、フェンリルとヨルムンガンド、スルトとムスペルの息子たちが集まってくる。一方神々はアスガルドの門番ヘイムダルが角笛ギャラルホルンを吹いて、9つの世界に響き渡らせすべての神々にラグナロクの到来を告げる。なお、二人の人間がユグドラシルの奥深くに避難する。オーディンはエインヘリヤルを引き連れてフェンリルと戦うが、飲み込まれて死んでしまい、息子のヴィーダルが敵を討つ。トールはヨルムンガンドを倒すが、毒液でその後息絶えてしまう。テュールはヘルヘイムの番犬ガルムと、ヘイムダルはロキと相討ちになる。豊穣の神フレイはスルトに敗れてしまう。そしてスルトがすべてを焼き尽くし9つの世界は死に絶える。
だが、やがて世界は蘇る。オーディンの息子ヴィーダルとヴァーリはラグナロクを生き抜いたし、トールの息子のモージとマグニも健在だ。バルドルとヘズも死者の国から蘇る。また、ユグドラシルの奥深くに避難した二人の人間は子孫を設け、大地のあらゆるところに生命が溢れる。ラグナロクは世界の終わりであり始まりでもあるのだ。

松原誉史(マツバラ タカシ)
大阪生まれ、都内IT企業勤務の趣味人。特に音楽が好き。ゲーム好きが高じて高校生の頃に世界の神話や伝承などを読み漁る。民族音楽も当時から好きで、ワールドミュージックのシリーズもののCDを買い揃えたりしていた。メタルとの出会いは大学生の頃に、当時の同回生からRhapsodyを薦められて。モスクワでとあるフォークメタルバンドのメンバーと飲んだり、別のとあるフォークメタルバンドが日本に観光に来た際の案内をしたり、海外ブログFolk-metal.nlで短期間だがインタビュアーを務めたり、Encyclopaedia Metallumの編集をしたりなど。

PROGRAM INFO | スタジオ観覧限定30名有観客配信
ENTRANCE ¥2000(ソーシャルディスタンシングを強化し、30人限定でスタジオ観覧者受け付けます。Peatixでスタジオ観覧チケット販売中 ▶︎http://vikingmetal.peatix.com
PLACE 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
15-1 Udagawa-Cho Shibuya-ku Tokyo 150-0042|Shibuya PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
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