2022/12/14 WED 18:30-20:00

■<第一部>明石政紀追悼番組「GENIALE DILLETANTENの死」

〜クラウトロック、ノイエ・ドイチェ・ヴェレ、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、
WAVEレーベル etc… ジャーマンオルタナティヴの伝道師。

●出演:東瀬戸悟(ZOOM)、樋口泰人(ZOOM)、松山晋也、四方幸子 ●MC:宇川直宏
●アーカイヴ出演:明石政紀

■明石政紀追悼番組「GENIALE DILLETANTENの死」明石政紀の偉業

クラウトロック、ノイエ・ドイチェ・ヴェレ、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、WAVEレーベル etc… ジャーマンオルタナティヴの伝道師=明石政紀追氏が今年10月に肺癌のため、永眠された。享年67歳。DAF、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン、デア・プラン、ディ・クルップス、パレ・シャンブルグ、Ata Tak 、そしてZick Zackレーベルのアーティスト….80年代初頭「FOOL’S MATE」でのジャーマンニューウェーヴ(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ)についてのレヴューは明石政紀さんの独壇場であった。これまで何度そのウィットに富んだ言葉達に心踊らされ、未踏の独逸音像世界に誘われたか、と回想している初老の80sニューウェーヴ中年は数知れない筈だ。
そしてその後、明石氏は「PARCO」のプロジェクトを成功させたセゾングループ代表の堤清二氏の"日本脱大衆化戦略”によって、”音と映像の新しい空間”として生まれた「WAVE」のレーベル部門のプロデューサーとなった。このレーベルを通じて日本版がリリースされたアーティスト達は、ホルガー・ヒラー、ディー・テートリッヒェ・ドーリス、ノイバウテン、デア・プラン、ピロレーター、パスカル・コムラード、そしてザ・レジデンツ、タキシードムーンなどのラルフレーベルにも及ぶ。またザ・レジデンツの1985年の初来日公演を主催したWAVE、そのレーベルを背負ってオーガナイズを担当していたのも明石氏である。スネークフィンガーがギタリストとして参加したこの名演は、タイガー立石氏のジャケで後に世界リリースされた「The Eyeball Show / Live In JAPAN」でその演奏を聞くことができるが、当時、六本木WAVEの1Fロビーで行なわれた記者会見は、東京観光に行った1人のメンバーに代わり、レーベル担当の明石氏が目玉を被って中の人となったとの衝撃の事実が今世紀に入って明かされている!!!!!!!!
ハードコアな"レジレンツ・クラスタ"である僕は、XXX RESIDENTSというザ・レジデンツのマルチメディア・コスプレ・ユニットを結成し、メジャーレーベルからデビューも果たし、Sonarにも出演している為、偽の目玉には何度も入っており、つまり義眼の中の人でもあるが 、明石さんは本物の目玉の中の人として、あの黒布の角膜の内側から世界を見渡した唯一の日本人であると言えよう。またその記念すべき初来日のライヴは、渋谷PARCOスペースPART3で行われた経緯もあり、現在渋谷PARCO9Fにライヴストリーミングスタジオ=SUPER DOMMUNEを構える身からすれば、明石氏は多大な影響を与えられた"目上の兄貴"のようでもあり、本物の審美眼を持った目利き、もとい"目玉利き”の師であるとも言えよう。  
そんな明石氏は、最晩年、DOMMUNEにその生きている姿を残された。一つは世界がコロナ禍に突入する直前の2020年2月にGoethe-Institut Tokyoの主催で、DOMMUNEが企画/制作した「DER PLANとNeue Deutsche Welle」そして「Die Tödliche Doris SPECIAL!!」と、コロナ禍に突入した 2020年9月のFlorian Schneider追悼番組「クラフトワークと、ジャーマンエレクトロニクス大百科」の2本である。今回DOMMUNEは、後半のラルフ・レコード50周年記念番組へと繋がる序章として、ビューワーの皆様へこの生明石氏出演の"ムービーファイル形見分け”の儀を行いたいと思う。
登壇は生前の明石氏と其々独自の交流があったフォーエヴァーレコードの東瀬戸悟、編集者/音楽評論家の松山晋也氏、キュレイター/評論家の四方幸子氏、そして1/21(土)にGoethe-Institut Tokyoファスビンダーの上映とセットで明石氏の追悼イベントを行うboidの樋口泰人氏、それから私、宇川直宏の5人。「ジェニアル・ディレッタント」(DIY思考によって自己組織化しようとしたジャーマン・オルタナティヴ)を日本に持ち込んだ明石氏に哀悼の意を捧げ、タイトルは「GENIALE DILLETANTENの死」明石政紀の偉業、とさせて頂いた。明石氏の偉業に対し心から尊敬と感謝を捧げ、謹んで御冥福をお祈り申し上げます…合掌。(Text by 宇川直宏)

■明石政紀(Masanori AKASHI)

著書に『ベルリン音楽異聞』(みすず書房)、『ポップ・ミュージックとしてのベートーヴェン』(勁草書房)、『キューブリック映画の音楽的世界』、『フリッツ・ラング』(以上アルファベータ)、『ドイツのロック音楽』、『第三帝国と音楽』(以上水声社)、訳書にファスビンダー『ファスビンダー、ファスビンダーを語る』全3巻(boid)および『映画は頭を解放する』(勁草書房)、ボーングレーバー『ベルリン・デザイン・ハンドブックはデザインの本ではない』(ベアリン出版)、ヴァイスヴァイラー『オットー・クレンペラー』(みすず書房)、サーク/ハリデイ『サーク・オン・サーク』(INFAS)、ケイター『第三帝国と音楽家たち』(アルファベータ)ほか。賞罰なし。

2022/12/14 WED 20:00-24:00

■<第二部>50th anniversary of Ralph Records

「創立50周年”ラルフ・レコード”って何だ?」

<第1章>Ralph Records発足と個性派アーティストの台頭
<第2章>New Ralphへの変革とCD時代の到来
<第3章>Euro Ralph/Ralph Americaの復権と閉鎖
●CROSS TALK:湯浅学(音楽評論家)x 岸野雄一(スタディスト)x 常盤響(写真家/DJ)x美馬亜貴子(編集者/ライター)x 川崎レジデンツ(覆面パフォーマー)x 宇川直宏(DOMMUNE)
<第4章>「ラルフ・レコード・パラダイス」DJ Plays Ralph Records ONLY
●DJ:常盤響、川崎レジデンツ|BROADJ#3135

●ザ・レジデンツの作品発表を目的に発足した米国インディペンデント・レーベル「Ralph Records」の創立50周年を祝し、その紆余曲折の歴史と所属アーティスト、作品を振り返る怒涛の4時間!

三部構成のクロストークではザ・レジデンツとラルフ・レコードに愛着を持つ各界の5人に加え、XXXRESIDENTSを率いた宇川直宏も参加!マニアを唸らせ、初心者にも解りやすい番組を目指す。●第1部では初期ザ・レジデンツからスネークフィンガー、タキシードムーン、MX-80サウンド、レナルド&ザ・ローフなどレーベルが輩出した個性的なアーティストの作品を取り上げ、当時の音楽シーンにおけるラルフ・レコードの存在を振り返る。●第2部ではザ・レジデンツの初来日公演も話題に挟みながら、経営の立て直しを迫られ変革を余儀なくされた混沌の時代を考察。第3部ではRalphの名称復活から今日に至るまでを辿り、ラルフ・レコードが与えた影響を総括。そして第4部のDJタイムには誰よりもラルフ愛溢れる常盤響と目玉マスクを被った川崎レジデンツが登場、Ralph作品による唯一無二の音空間を創り上げる。最後まで見逃せない一夜となること間違いなし!

PROGRAM INFO
ENTRANCE <第1部/第2部連動 ¥2,000>(第1部から第2部地続きの金額です。50人限定でPeatixにてスタジオ観覧者を募集中です。ここから予約をお願い致します。もしくは感染対策万全なスタジオに当日直接お越しください。▶︎https://peatix.com/event/3441997/
PLACE 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
15-1 Udagawa-Cho Shibuya-ku Tokyo 150-0042|Shibuya PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
SUPER DOMMUNE FLOOR GUIDE  MAP
  ■ ご来場者はカメラに映る可能性がごさいますので、ご了承のうえご参加ください。
■ スタジオには、クロークやロッカーございません。手荷物は少なめでご来場のうえ、ご自身での管理をお願いします。
■ ドリンク類はスタジオ内でお買い求めいただけます。お飲み物の持ち込みはご遠慮ください。
<新型 コロナウイルス等感染症予防および拡散防止対策について>