2020/02/07 FRI19:0024:00

『大阪万博50周年記念展覧会』開催記念番組

EXPO'70_50th feat.DOMMUNE「大阪万博解体新書」@SUPER DOMMUNE
第一夜「万博音楽大百科」〜Encyclopedia of EXPO MUSIC

出演:一柳慧(現代音楽家)、樋口真嗣(映画監督)、樋口尚文(映画監督)、宇川直宏(現在美術家)
司会:西耕一(音楽評論|Three Shells)ナビゲーター:玉置泰紀(KADOKAWA)

■万博の音資料を発見!重要資料の数々に大興奮!これは現代音楽のタイムカプセルだ!

日本の現代音楽界にとって最高の調達点と言える大阪万博。
黛敏郎、伊福部昭、武満徹、一柳慧、小杉武久、松平頼暁、松下眞一、團伊玖磨など多士済々、錚々たる作曲家が音楽を担当した。その音資料が、大阪府に残されていたのだ。50年間ものあいだ手付かずだったこの貴重な資料が、2020年2月15日から24日まで、寺田倉庫のT-ART HALLで開催される『大阪万博50周年記念展覧会』の中で蘇生される。そんな未曾有の展覧会の為に、現在、1000本以上のオープンリールテープの中から、日夜、発掘作業を行なっているのであるが、特に、お祭り広場で行われた毎日のイベントがすごい。「黛敏郎・音と光のファンタジア」「磯崎新設計のロボット・デメのコメント」「具体美術祭り・ミラー人間と光の広場」「グランドバレエ・進歩と調和」など、タイトルだけでも芸術的感覚が刺激される。「動く歩道を使う場合の注意喚起のアナウンス」 という珍品もあったが、実は当時を知る人には懐かしい音資料だろう。意図せずタイムカプセル化して、50周年に再発見される音の資料。今回、この展覧会を記念した番組が、渋谷PARCO9Fに移転し進化を遂げたSUPER DOMMUNEで行われる。DOMMUNEスタジオの高解像度サウンドシステムで、ついにその宝箱の蓋が開くのだ。頭がくらくらするような、戦後現代音楽における重大資料発見に大興奮である。 
西耕一(音楽評論/音楽プロデューサー)

●70年大阪万博の貴重な音資料をDOMMUNEがLIVEで公開!

(Time Out Tokyo NEWS記事▶︎http://urx.space/SsZ2

2020年。何かと取りざたされることの多い年であるがゆえに、「2020」という文字面にすでに食傷気味の向きもあるだろうが、この年は1970年の日本万国博覧会(大阪万博)から50周年のメモリアルイヤーでもあることを思い出してほしい。寺田倉庫が文化事業を展開する天王洲エリアにあるT-ART HALLでは、万博50周年を記念した『大阪万博50周年記念展覧会』を2020年2月15日から24日まで開催する。同展に関連して、地上波のワイドショー番組では知名度が低いらしいDOMMUNE(笑)が、例によって興味深い番組を放送するとのことで注目が集まっている。 天王洲の展覧会では、万博当時の様子を記録した貴重な資料のほか、西野達、蓮沼執太、そしてDOMMUNEを主宰する宇川直宏ら、万博から影響を受けたというクリエーターによる作品も展示する。実際の大阪万博にも展示された作品としては、岡本太郎による『マスク』、およびフランソワ・バシェによる音響彫刻『勝原フォーン』(復元)が登場。点数こそ少ないが、これらの作品を起点に万博を振り返ることが同展の醍醐味となりそうだ。

言わでものことながら、大阪万博のテーマである「人類の進歩と調和」を象徴する展示のチーフプロデューサーを担当したのが岡本太郎だ。フランス留学時代に文化人類学者マルセル・モースの講義にも出席していた太郎が、「人類」を表現するべく世界中の民族に伝わるさまざまな「仮面(マスク)」を集めたコレクションは、今も万博記念公園に建つ国立民族学博物館にとって一つのルーツになっている。ちなみに、「雪の科学者」として知られる中谷宇吉郎の実弟、治宇二郎が太郎に先んじてモーセに師事しており、縄文時代についての研究を行っていたことも、昨今の縄文ブームとともに広く知られてきたところである。
一方のフランソワ・バシェの音響彫刻は、「鉄鋼館」という日本鉄鋼連盟によるパビリオンで展示された作品。モダニズム建築の旗手、前川國男の設計による同館は、武満徹が音楽プロデューサーを務めており、大阪万博が前衛音楽の実験の場でもあったことを物語るパビリオンだ。当時の最先端の技術を駆使した音楽ホールとして建てられた同館は、現在では「EXPO’70パビリオン」として公開されているものの、万博以降に音楽ホールとしてはろくに利用されてこなかったことを晩年の武満自身が嘆いてもいる。ともあれ、建築やデザインとの関連で語られることの多い1970年の大阪万博を、音楽の視点からも振り返ろうという意図が、今回の展覧会の一つの提案として読み取れることだろう。

その意味で興味深いのが、冒頭でも触れたDOMMUNEのプログラムだ。アーカイブ作成にも力を注いできた大阪万博ではあるが、現存する約19万点もの資料全てをデジタル化できているわけではないという。今回の展覧会開催に当たり、DOMMUNE代表の宇川と音楽評論家の西耕一が音源リストを精査したところ、未デジタル化の貴重な資料がいくつも見つかったという。武満をはじめ、黛敏郎や秋山邦晴、松下真一、高橋悠治など、錚々(そうそう)たるメンバーが参加していた大阪万博だけに、昭和の現代音楽フリークの西らがどのような資料に注目したのか楽しみにしたい。
DOMMUNEの開催は2月7日と16日の2回開催。7日は、新たに生まれ変わった渋谷パルコにできたSUPER DOMMUNEを会場に、宇川と西のほか、映画監督の樋口真嗣、樋口尚文に加えて、大阪万博の参加アーティストでもある一柳慧が登壇する。フルクサスなど、音楽以外のジャンルのアーティストとも交流の深かった一柳は、万博では「テーマ館」や「お祭り広場」「タカラ館」「ワコール・リッカーミシン館」など、数多くのパビリオンに携わっていたので、生々しい裏話が多数飛び出ることが期待される。16日には美術評論家の黒瀬陽平を迎え、天王洲のT-LOTUSMにて開催。2日間を通して、貴重な音資料のどれほどが再生されるかは不明だが、登壇者のトークも併せて大いに期待が高まるところだ。

現代に続く芸術文化の花咲く、まさに百花繚乱の季節として存在した1970年の大阪万博。その一方で、戦前の1940年に東京オリンピックとともに開催が予定されていた「紀元二千六百年」を記念した万国博覧会の、ある意味では弔い合戦としての性格も帯びていたことは揺るがし難い事実だ。ナショナリズムについて考えさせられることの多い「2020」に、華やかなりし大阪万博を多方面から振り返ることも無駄ではないだろう。
Kosuke Shimizu(Time Out Tokyo)

PROGRAM INFO
ENTRANCE 入場無料(限定100人|Peatixで無料予約受付中!お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせて頂きますのでお早めにお申し込みください。激しい競争率となる恐れがありますので当日必ずご来場できる方のみお申し込みください。)
https://expo7050thfeatdommune.peatix.com
PLACE 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
15-1 Udagawa-Cho Shibuya-ku Tokyo 150-0042|Shibuya PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
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