2021/02/13 SAT 20:00-22:00 &
2021/02/14 SUN 20:00-24:00

■京都市京セラ美術館「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」

DOMMUNE KYOTO|DOMMUNE UNIVERSITY OF THE ARTS

「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS season 6」公開収録

2021/02/13 SAT 20:00-22:00

DOMMUNE KYOTO|DOMMUNE UNIVERSITY OF THE ARTS|DAY6

■20:00-22:00 「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS season 6/#052 Chim↑Pom」

出演:Chim↑Pom

2021/02/14 SUN 20:00-24:00

DOMMUNE KYOTO|DOMMUNE UNIVERSITY OF THE ARTS|DAY7-1

■20:00-22:00 「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS season 6/#044 GEISAI」

出演:笠原ちあき(Kaikai kiki)、綛野匠美(Kaikai kiki) 聞き手:岩渕貞哉

DOMMUNEDOMMUNE KYOTO|DOMMUNE UNIVERSITY OF THE ARTS|DAY7-2

■22:00-24:00 「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS season 6/#053 DOMMUNE」

出演:宇川直宏(DOMMUNE) 聞き手:椹木野衣

■京都市京セラ美術館「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」DOMMUNE KYOTO|DOMMUNE UNIVERSITY OF THE ARTS 「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS season 6」公開収録

京都市京セラ美術館の新館「東山キューブ」では、1980 年代後半より現代美術について鋭い批評活動を継続的に行なっている美術評論家の椹木野衣を企画・監修に迎え、独自の視点で選定したアーティストたちによる集合的活動にフォーカスした平成年間(1989‒2019 年) の美術を振り返る展覧会を開催します。「うたかた」と「瓦礫(デブリ) 」をキーワードに、経済的な停滞と未曾有の災害に繰り返し見舞われた平成の時代を、椹木氏の視点にもとづきアーティストたちがどのように時代と状況に応答してきたかを探ります。
2010年に開局したDOMMUNEは、アメリカ同時多発テロ事件/イラク戦争/新型肺炎SARS/リーマンショックが起こった、ゼロ年代と、東日本大震災/福島第一原発事故/拡大するテロリズム/自然災害が多発するテン年代の接続点に活動を開始しました。首謀者である宇川直宏は、DOMMUNEスタジオで日々産み出される番組の撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの“現在美術”作品と位置づけています。
この展覧会「平成美術:うたかたと瓦礫デブリ 1989–2019」に作家として参加するDOMMUNEは、「DOMMUNE KYOTO」サテライトスタジオを開設し、2014年に始動した現代日本を代表するアーティスト100組の歴史をひもとくインタビュープロジェクト「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS」のseason6を京都市京セラ美術館で展開いたします。東京/渋谷/PARCO9FのSUPERDOMMUNEスタジオと、京都市京セラ美術館の新館/東山キューブの2つの拠点を行き来しつつ、配信とアーカイヴ展示を行います。配信後には、出演作家の作品展示とともに、京都市京セラ美術館のDOMMUNE KYOTOブースにアーカイヴをインストールしていき、DOMMUNEのインスタレーション作品として発表・上映していきます!

平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989–2019

2021年1月23日-2021年4月11日
会場[京都市京セラ美術館|新館 東山キューブ]

ベルリンの壁崩壊湾岸戦争バブル経済崩壊 阪神淡路大震災 地下鉄サリン事件アメリカ同時多発テロ事件 イラク戦争 新型肺炎SARS リーマンショック東日本大震災 福島第一原発事故 拡大するテロリズム 多発する自然災害。いま、不穏と呼ぶしかない令和の幕開けの渦中にあって、改めて31年あまりに及んだ平成の美術とは何であったのかについて、ここ京都の地から振り返ってみよう。1980 年代、1990 年代というような 10 年間(の傾向)で区切るのではない。「明治」の美術が、日本における美術そのものの夜明けであったように、「大正」の美術が、自我を持った絵描きたちによる叫びと前衛の新興であったように、「昭和」の美術が、戦争の前後で光と影のような対照を見せ、その後、民主主義と平和憲法に倣い、数々の分派へと枝分かれしていったように、そのような輪郭だった美術の容貌(精神)を、果たして「平成」の美術は持っているだろうか。ここではそれについて、自然災害や事件、事故、経済危機が多発した時代における、 複数の美術家たちによる「密」な集合的活動の集積として捉え、バブル経済の崩壊と東日本大震災(福島原発事故)を念頭に、鴨長明『方丈記』と磯崎新『瓦礫(デブリ) の未来』に倣って、「うたかたと瓦礫(デブリ) 」と呼ぶことにしたい。(椹木野衣)

Today, amid the maelstrom of the dawn of the Reiwa period, a time that can only be described as ominous, let us look back again from here in Kyoto on the art of the Heisei period of just over 31 years. I do not mean by dividing it up according to decades (trends), such as the 1980s or 1990s. Just as the art of the Meiji period represented the dawning in Japan of art itself, the art of the Taisho period represented the cries of self-willed painters and the rise of the avant-garde, and the art of the Showa period exhibited contrasts like light and shadow before and after the war and later followed in the footsteps of democracy and the pacifist constitution by branching into numerous schools, does the art of the Heisei period have an appearance (spirit) representative of the age itself? For the purposes of this exhibition, I have chosen to focus on the accumulation of the “close” collective activities of multiple artists in this period of frequent natural disasters, incidents, accidents, and economic crises. And with the collapse of the bubble economy and the Tohoku earthquake and tsunami (and the Fukushima nuclear accident) in mind, and taking a cue from Kamo no Chomei’s Hōjōki(The Ten Foot Square Hut)and Isozaki Arata’s Deburi no mirai (The Future of Debris), I would like to call it “bubbles/debris.” (Sawaragi Noi)

平成の14のアーティストグループおよび集合体の代表作が一堂に会します。そのほか資料展示などに加え、社会的事件、経済的事象や自然災害といった揺れる大地の上で、美術がどのような変遷をたどってきたかをまとめた平成の大年表を制作、展示します。本展は下記のとおり、大きく3つの時代で区分され、会場では、「方丈」の庵のように作品群やブースが点在し、それらを回遊するような「界隈(ストリート)」で繋ぎ、平成の時空を縦横に行き来してご覧いただける構成になっています。

■1989-2001 ベルリンの壁崩壊/ 湾岸戦争/バブル経済崩壊/阪神淡路大震災/地下鉄サリン事件

1. Complesso Plastico(1987‒1995 大阪/東京│Osaka, Tokyo)

平野治朗と松蔭浩之が大阪芸術大学在学中に結成。音と映像によるインスタレーション作品で注目を集め、1990 年にヴェネチア・ビエンナーレに招聘された。

2. IDEAL COPY(1988‒ 京都│Kyoto)

京都でデビューし、1990 年代以降国内外で多彩な活動を展開してきた匿名アートユニット。日常の社会システムに着目したコンセプチュアルな作品で知られる。

3. テクノクラート│TECHNOCRAT(1990‒1996 東京│Tokyo)

演劇出身の飴屋法水を中心としたアートユニット。1996 年メキシコでの展示を最後に発表はしていない。機械とバイオテクノロジーを用いた身体的かつコンセプチュアルな作品を特徴とする。

4. DIVINA COMMEDIA(1991‒ 京都/神戸│Kyoto, Kobe)

ダンテの『神曲』をその名に冠したプロジェクト。京都市立芸術大学に学んだ砥綿正之と松本泰章を中心に活動を開始し、音と光の明滅による「死のプラクシス」をテーマにした作品が話題を呼んだ。

■2001-2011 アメリカ同時多発テロ事件/イラク戦争/新型肺炎SARS/リーマンショック

5. GEISAI(2001‒2015 東京、神奈川、埼玉、台北、マイアミ│Japan, Taiwan, U.S.A.)

日本の美術大学の学園祭(芸術祭の略称=芸祭)を由来とする、村上隆率いる Kaikai Kiki が主催した大規模プロジェクト。出展アーティストはのべ 1 万人以上を数える。

6. Chim↑Pom(2005‒ 東京│Tokyo)

卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀の 6 名からなるアーティストコレクティヴ。社会と結びついた美術の実践を通して、さまざまな問いを発信し続けている。

7. contact Gonzo(2006‒ 大阪│Osaka)

独自に生み出された身体表現の方法論をユニット名とするグループ。現在のメンバーである塚原悠也、三ヶ尻敬悟、松見拓也、NAZE は、パフォーマンスを中心に国内外で活躍している。

8. 東北画は可能か?│Is Tohoku-ga possible?(2009‒ 山形│Yamagata)

「日本画」に対し「東北画」という名付けは可能か? との問いをもとにもう一つの美術史を模索する。東北芸術工科大学の三瀬夏之介と鴻崎正武が学生と研究・制作を行うプロジェクト。

9. DOMMUNE(2010‒ 東京│Tokyo)

宇川直宏が2010年に開局した日本初のライブストリーミング・スタジオ兼チャンネル。番組配信における撮影、配信、収録を自らの"芸術行為”と位置付ける。 2014年よりアーティストインタビューの番組「THE 100 JAPANESE CONTEMPORARY ARTISTS」シリーズを継続。

■2011-2019 東日本大震災/福島第一原発事故/拡大するテロリズム/多発する自然災害

10. パープルーム│Parplume(2013‒ 相模原[神奈川]│Kanagawa)

梅津庸一が立ち上げた共同体。パープルーム予備校を拠点に美術活動と日常生活を同期させながら「日本の美術教育のオルタナティブ」と「美術運動」を実践している。

11.突然、目の前がひらけて|Suddenly, the view spreads out before us.(2015‒ 小平[東京]│Tokyo)

当時、武蔵野美術大学と朝鮮大学校の学生であった市川明子、土屋美智子、灰原千晶、鄭梨愛、李晶玉の 5 人が両校の交流展に際して両者を隔てる塀に橋を掛けた。本展で 3 度目の結集となる。

12. クシノテラス│Kushino Terrace(2016‒ 広島│Hiroshima)

櫛野展正により広島県福山市に設立されたアウトサイダー・アートのギャラリー。現代アートシーンとは異なる世界で制作を行う全国各地の表現者たちを見出して紹介している。

13. 國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト|Kokufu Osamuʼs Engine in the Water re-creation project(2016‒2017 京都│Kyoto)

自作を調整中、事故により急逝した國府理の作品《水中エンジン》の再制作プロジェクト。遠藤水城、白石晃一、高嶋慈、はがみちこにより 2017 年に発表、本展ではこれを再構成して展示する。

14. 人工知能美学芸術研究会(AI 美芸研)|Artificial Intelligence Art and Aesthetics Research Group(2016‒ 東京│Tokyo)

中ザワヒデキと草刈ミカを中心に結成された研究会。AI は独自の美学を持ち得るか、自前の芸術を創作し得るかを探求する。公開の研究会や展覧会の開催など多方向に活動している。

〈資料展示〉
カオス * ラウンジ│Chaos*Lounge(2009‒ 東京│Tokyo)

インターネット上の交流から生まれたアーティストたちの集合体。資料展示にて振り返る。

椹木野衣 Sawaragi Noi

美術評論家。1962年埼玉県秩父市生まれ。京都で学生時代を過ごす。現在、多摩美術大学教授。主な著書に、初の評論集『シミュレーショニズム ハウス・ミュージックと盗用芸術』(洋泉社、1991)をはじめ、『日本・現代・美術』(新潮社、1998)、『反アート入門』(幻冬舎、2010)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書、2015)、『後美術論』(美術出版社、2015、第25回吉田秀和賞受賞)、『震美術論』(美術出版社、2017、平成29年度[第68回]芸術選奨文部科学大臣賞)ほか多数。「日本ゼロ年」展(水戸芸術館、1999-2000)をはじめ、展覧会のキュレーションも多く手掛けている。

• 主催:平成美術展実行委員会(京都市、朝日新聞社)
• 企画・監修:椹木野衣
• 協賛:株式会社サンエムカラー、ミネベアミツミ株式会社

PROGRAM INFO
ENTRANCE ●新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無観客配信と致します。このプログラムはライヴストリーミングでお楽しみください!!!!!