2021/04/07 WED 20:00-24:00

第34回AI美芸研 x DOMMUNE
「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら・5」

■出演:藤井雅実(芸術哲学研究者)、徳井直生(アーティスト、研究者、Qosmo代表、慶應義塾大学准教授)、塚田優(評論家)、宇川直宏(現在美術家、DOMMUNE主宰)、中ザワヒデキ・草刈ミカ(美術家、AI美芸研)

■【書籍『S/N』刊行記念】

S氏は佐村河内守、N氏は新垣隆である。人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)がこのたび刊行した書籍『S/N』には、S氏名義の廃盤中古CD『交響曲第1番《HIROSHIMA》』が付録されている。33名の寄稿者から今回は藤井雅実、徳井直生、塚田優をお招きし「第34回AI美芸研 x DOMMUNE」を開催する。近代的意味での「作曲=創作」は記名の一個人に帰されるべきものだが、ゴーストライター事件では「音符は書かないが指示書を書くS氏の創作」と「指示書から音符を書くN氏の創作」の二つに分断(S/N)され、近代終焉を象徴した。2010年代のAIブームにこの分断を掛け合わせれば「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら」という問いが生じるが、実はAI美芸研の思惑は機械学習的な「N氏AI」を作ることではない。昨年DOMMUNE配信最中に宇川直宏が看破したとおりシンギュラリティ的な「S氏AI」の実現にある。
芸術哲学研究者の藤井雅実の寄稿「AIは欲望と情動の地で歌えるか?」は、S/N問題の欲望基盤の重層性と錯綜を探り、その基盤に既にAIが介在し、ゆえに創作にも関与していた点を指摘している。アーティスト、研究者、Qosmo代表、慶應義塾大学准教授の徳井直生は、「作曲と音楽作品の未来像」にて作曲がDJに接近し、演奏と聴取と作曲が混交すると予測している。評論家の塚田優の寄稿「文化人としての佐村河内守と横尾忠則」は、佐村河内は過剰なまでに近代的な自意識にとらわれていたとして、横尾忠則と比較している。
会期終了の4月11日まで数日間を残すのみとなった「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」(京都市京セラ美術館・椹木野衣企画監修)に、AI美芸研とDOMMUNEは共に出品作家として参加中だ。AI美芸研ブースでは、その意義が賛否に分かれるS氏の奇怪な「指示書」(複製)の向かいに、事件よりはるか以前にS氏が横尾忠則に描かせた油彩画『赤い耳』(再制作)を設置、長大なケースに収められたN氏の「楽譜」に「交響曲」の重厚音響が降り注ぐ。渋谷のSUPER DOMMUNEから有観客配信にて、新刊書籍と京都での終盤展示に接続する。

PROGRAM INFO | スタジオ観覧限定30名有観客配信
ENTRANCE ¥2000(ソーシャルディスタンシングを強化し、30人限定でスタジオ観覧者受け付けます。Peatixでスタジオ観覧チケット販売中 ▶︎http://aisndommune2.peatix.com - 書籍『S/N』付録「AI美芸研参加優待券」持参にて 1 drink サービスします。- 書籍『S/N』(税込5,500円)は会場でも購入可能です。)
PLACE 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
15-1 Udagawa-Cho Shibuya-ku Tokyo 150-0042|Shibuya PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
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<新型 コロナウイルス等感染症予防および拡散防止対策について>