2024/10/28/MON 19:30-23:30

「追悼:田名網敬一」永遠なる記憶の冒険 1936.07.21 - 2024.08.09

R.I.P. Keiichi Tanaami:An Adventure of Eternal Memories

●MC:宇川直宏(現在美術家、DOMMUNE主宰)、南塚真史(NANZUKA)
●ONLINE出演<from NY>:篠原有司男(前衛芸術家)、篠原乃り子(美術家)
●出演:宮田有香(内科画廊|美術資料調査員)、福井久美子(アーツカウンシル東京)、束芋(現代美術作家)、佐藤允(アーティスト)、抜水摩耶(アーティスト)、朝吹真理子(小説家)、深沢慶太(編集者)、金八(集英社)、南塚加奈(NANZUKA|田名網個人マネージャー)
●LIVE:曽我部恵一(Sunny Day Service)

<TIME TABLE> 「追悼:田名網敬一」永遠なる記憶の冒険 1936.07.21 - 2024.08.09

❶19:30-20:55 Chapter1:田名網研究1 1958-2000(考1)<85min>
出演:宮田有香、福井久美子
MC:宇川直宏、南塚真史

❷20:55-21:35 Chapter2:田名網弟子&一門(話&描)<40min>
宇川直宏、束芋、佐藤允、抜水摩耶

❸21:35-23:00 Chapter4:田名網研究2 2000-2024(考2)<85min>
出演:朝吹真理子、深沢慶太、南塚加奈|ONLINE出演<from NY>:篠原有司男、篠原乃り子
MC:宇川直宏、南塚真史

❹23:00-23:30 Chapter4:田名網RIPミュージックフェア(話&奏)<30min>
LIVE:曽我部恵一 MC:金八、宇川直宏

●「追悼:田名網敬一」永遠なる記憶の冒険 1936.07.21 - 2024.08.09

R.I.P. Keiichi Tanaami:An Adventure of Eternal Memories

田名網先生、お久しぶりです。
彫刻のお姿とご対面するのも何年振りでしょうか?
現在の先生のお姿は、2004年、KPOキリンプラザ大阪での田名網、宇川の2人展「DISCO UNIVERSITY」のインスタレーションで、僕が制作した等身大彫刻でしたから、もう20年前ですね。
あれから20年、新国立美術館での「記憶の冒険」は、無事開幕し大盛況ですよ。この空間を見ずとして先生は急逝されました。待望の展覧会だったということもあり、ナンズカくんが、この晴れの舞台を、是非田名網先生にも見てもらいたいということで、彫刻のお姿の先生を20年振りに世に降臨させていただきました。
黄色いお着物、超絶サイケデリックで眩しいです!!!
つい3ケ月前までは生身の肉体を持っておられ、春には一緒に八代亜紀さんのお別れ会に行かせていただきました。そしてそのあと、計約5時間、12万字超えのインタビューを収録させていただきましたね。今となってはその先生の肉声は大変貴重な生きたデータとなってしまいました。
その対話の中では、漫画家を目指した少年期、グラフィックデザイナー/イラストレーターとして活躍し始めた青年期、先陣を切って実験アニメーション制作を行なった壮年期、現代アートの世界に切り込みながら独自の地位を確立した中年期、そして最盛期を年々更新しアーティスト人生を謳歌していた最晩年…
それぞれの時代を駆け抜けた田名網敬一の生き様が映し出されていました。
僕とのその12万字の対談の中で、田名網先生はおっしゃっていましたね。
「90歳を目前としたこの年になって、今、世界中からこんなに仕事が来る人なんてそういないわけですよ(笑)」笑いながら先生はそう言い放っていました。
そう、世界はまだ田名網敬一を発見したばかりで、田名網作品の学術的、社会示唆的、市場的、そして歴史的な価値に対する再評価は、この展覧会でいま始まったばかりなんです。
なのに、先生は、その風景を生身のお姿で拝むことなく、天に召されてしまった。先生、本当に、おつかれさまでした!
この展覧会は、先生の88年の人生が凝縮しています。そのプレスリリースには「近年、急速に再評価が進む日本人アーティスト」という枕が付いていましたが、60年以上にわたる輝かしき創作活動の歴史が存在しているにも関わらず、このような解説が当てはまるのは、先生の現在こそが〈旬〉であり、〈ピーク〉であり、作家として最も〈脂が乗っている〉状態であったからだと思います!!!!!
なので勿論この解説に異論はないです!ただ、そこに付け加えるならば、田名網敬一は年々新たな〈絶頂〉を迎えていたし、〈最盛期〉を更新していたし、そのピークは点ではなく線であり面であり空間であったということです!!!!!!
「田名網敬一の今が、ヤバイ!!!!!!!」これは年々そのピークを更新する田名網先生の活動において僕が投げかけたスローガンです。リバイバルでもなく、ノスタルジアでもなく、再ブレイクでもなく、年を重ねるごとに益々迸る(ほとばしる)エネルギーで常にその活動の歴史の〈今〉をUP DATEし続けた田名網敬一史は、日本のグラフィズムの歴史そのものです。
戦後の日本文化が、昭和の高度経済成長を通過し、平成のバブリーな高度データベース消費を経て、いかにオルタナティヴカルチャーを肥やしにしながら現在に至ったのか? そこに視覚表現はどんな形で結びつき、テクノロジーを纏いながら進化してきたのか? それは田名網敬一先生の88年の人生と68年の創作の歴史を紐解けば一目瞭然です!!!!!
そう、日本のグラフィズムの歴史を体現する先生は、いまや、その象徴として、このような彫刻のお姿となりました!!!!!!
しかし、2004年に、先生のライフマスクとってて本当によかったー!
お亡くなりになる前の僕との12万字の対談で、先生は、こうおっしゃっていましたね。

●田名網 : 2004年はKPO キリンプラザ大阪での田名網、宇川の2人展「DISCO UNIVERSITY」は、いい展覧会でしたね。僕は宇川さんの作ったネオン管のDJブースでDJもしましたよ(笑)
●宇川 : そうでした。僕が制作した2Fの展示室では常設用にDJしている先生のマネキンも作成させていただきました。DISCO大学の司祭としての彫刻です(笑) で、イベントの時だけ本物の先生に入れ替わるっていうウルトラ・サイケデリックな演出でしたね。
●田名網 : そう、そう、マネキン会社に宇川さんと一緒に行ってね、僕は顔面の型取り用にライフマスクを取らされて(笑) 緑の液体に目を開けた状態で顔をつけて息を止めないといけないんですよね、1分以上。それでね、工房の男の人が僕の頭を抑えるのよ、1分経たないうちに顔を上げないように。しかも、型取り前にね、誓約書を書かされている。そこには生命の保証はいたしませんって書いてあるの(笑)
●宇川 : 誓約書。うわ、そうでしたねー、∈Y∋さんのHANATARASHIのライヴと同じルールですね(笑)
●田名網 : 怖かったー!壁にね、小林幸子の顔面の型が沢山飾ってあったの覚えてる? 紅白でのパフォーマンス用にあの工房でマスクを作ったらしい。でもね、彼女もその緑の液体の中で、目を開け続けないといけない。じゃないと結局目を閉じたライフマスクになっちゃうじゃない。僕も、何回もトライさせられたのね。液体につける前は目を開けてるんだけどね、寸前にやっぱり怖いから目を瞑っちゃうんだよ。瞑らないで、瞑らないでって言われて、工房の担当の男の人がさ、もう何回も型取りやってくれるのよ、僕は最後は結局目お開けたままとることが出来たんだけど。壁に飾られている小林幸子の型はね、目を瞑ってる顔が、ずらっーと並んでてね、成功したあと、その人が教えてくれたんだよね「小林さんはとうとうダメでした」って……(爆笑)
●宇川 : うわ、思い出しました、瞳を閉じた小林幸子さんの顔が、10パターンくらい並んでましたね(笑)
●田名網 : ものすごく怖いのよ、それが。あ、小林幸子のことではなく、緑の液体のことね(笑) 白い液体だったらまだいいんだけど、色が緑なのよ。それが怖かったー。
●宇川 : 緑の液体に顔をつけさせられて喋れない先生に「大丈夫ですか?」「大丈夫ですか?」って僕が隣で声かけて。
●田名網 : そう、あのとき、全然、大丈夫じゃなかった(笑) なかなか目が開けられなかった。
●宇川 : トラウマを植え付けてしまい、本当にすみませんでしたね。小林幸子さんに免じて許してください(笑)

先生、いまも目は開いたままです。いや、永遠に、目は開いたままです。そう、これはDEATHマスクでではななくLIFEマスク!!!死ではなく、生の証です!!!!!!!!
田名網敬一とその作品は、この等身大の彫刻のように未来永劫、生き続けるのです!!!!!!!

そして、DOMMUNEでは、2024年10月28日の月曜日、「追悼:田名網敬一」永遠なる記憶の冒険 1936.07.21 - 2024.08.09を配信いたします。
出演は、NYから先生の大親友の前衛芸術家、篠原有司男さんと篠原乃り子さん。内科画廊の美術資料調査員、宮田有香さん、そして「戦後日本美術における個人アーカイブと記録管理 ― 田名網敬一のアトリエ資料を対象として」を執筆された福井久美子さん。更には、田名網弟子&一門として、現代美術作家の束芋さん、アーティストの佐藤允さん、アーティストの抜水摩耶さん。田名網敬一『Quo Psyche “魂の行方”』では、小説『きんぎょのひるね』を書き下ろした、小説家の朝吹真理子さん。田名網敬一×赤塚不二夫『TANAAMI!! AKATSUKA!!/That’s All Right!!』や『おもしろブック』を編集された集英社の金八さん。新国立美術館での「記憶の冒険」では図録を編集した深沢慶太さん。そして先生の個人マネージャーも担当されたNANZUKAの南塚加奈さん。更にはなんと「HAZARD OF DUB」では、先生がグラフィックを担当した曽我部恵一さんが追悼演奏も披露してくださいます。MCは、ナンちゃん(=南塚真史)と、僕、宇川直宏です。
全てのプロジェクトは今年55周年を迎えた、PARCOがサポートしてくださいました。そうです、来週発表になる”あのプロジェクト"も先生が旅立たれたあと滞りなく完成させました。
この濃厚なメンバーで、田名網先生の88年の人生と68年の創作の歴史を紐解き、哀悼の意を捧げますので、是非、天空からのご視聴、よろしくお願いいたします!!!!!!

一番弟子の、宇川直宏(from DOMMUNE)より

<2024年8月9日|田名網敬一お別れ会@国立新美術館|宇川による弔辞のUPDATE>

PROGRAM INFO
ENTRANCE 2,000円(超エクスクルーシヴ限定50人のスタジオ観覧者を募集中です!▶︎https://ripkeiichitanaamidommune.peatix.com/ スタジオに直接お越しください!)
PLACE 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
15-1 Udagawa-Cho Shibuya-ku Tokyo 150-0042|Shibuya PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
SUPER DOMMUNE FLOOR GUIDE  MAP
  ■ ご来場者はカメラに映る可能性がごさいますので、ご了承のうえご参加ください。
■ スタジオには、クロークやロッカーございません。手荷物は少なめでご来場のうえ、ご自身での管理をお願いします。
■ ドリンク類はスタジオ内でお買い求めいただけます。お飲み物の持ち込みはご遠慮ください。
<新型 コロナウイルス、インフルエンザA(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型、B型等の感染症予防および拡散防止対策について>