2025/02/13 THU 19:30-21:00
CYZO & DOMMUNE Presents
叶井俊太郎一周忌メモリアルPROGRAM「エンドロール! THE MOVIE」<完全版>
1967/09/18-2024/02/16
●出演:故・叶井俊太郎、宇川直宏、中原昌也
■叶井俊太郎一周忌メモリアルPROGRAM「エンドロール! THE MOVIE」1967/09/18-2024/02/16<完全版>
映画プロデューサーの叶井俊太郎が2024年2月16日午後、東京都の自宅で死去した。享年56歳。
叶井はジャン=ピエール・ジュネ監督の映画「アメリ」を買い付け、日本でヒットさせたバイヤーとしても知られる映画プロデューサーである。「『エイリアン4』の監督の次回作」であるし、脚本を読んだ上でホラー・サスペンス作品であると予測して買い付けたところ、出来上がった作品はポップなヒロイン・ムービーだったが、公開直後『アメリ現象』と呼ばれる程の大ヒット、社会現象にまで発展した。この「アメリ」でのブレイクにより叶井自身も一般に注目され、自伝的回想録「ビッグヒットは五感でつかめ!」(主婦の友社刊)を出版する他、2003年に放映された月9ドラマ『東京ラブ・シネマ』では、江口洋介演じる主人公のモデルになるなど、業界では知られた存在になる。
2009年9月、漫画家の倉田真由美と4度目の結婚。しかし翌年、映画業界全般の不況のあおりを受けて、代表取締役社長を務める映画配給会社トルネード・フィルムが、負債3億円で倒産。その後、映画配給会社を渡り歩く。
叶井は1990年代に映画業界に入り、30年以上に渡りアルバトロスフィルム、ファントムフィルム、トルネードフィルム、トランスフォーマー、レスペ、そして晩年のサイゾー/エクストリームと映画配給会社を立ち上げながらも渡り歩き、クリストフ・シュリンゲンズィーフの監督作品、「八仙飯店之人肉饅頭」「ネクロマンティック」「キラーコンドーム」「えびボクサー」などを配給。2001年11月に日本公開された「アメリ」は興行収入16億円というミニシアター映画としては異例の大ヒットを飛ばした。「ムカデ人間」シリーズや「キラーカブトガニ」もヒットさせたほか「いかレスラー」「ヅラ刑事」や「日本以外全部沈没」など、河崎実監督作品を複数企画/プロデュースした。近年は映画配給レーベル・エクストリームの宣伝プロデューサーを務めた。
2023年に末期のすい臓がんであることを公表し、同年10月に各界の著名人との対談集「エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の“余命半年”論」を刊行。妻の倉田真由美は、介護情報サイト・介護ポストセブンの連載「すい臓がんの夫と余命宣告後の日常」で病状をつづり、1年半以上にわたって仕事や日常生活を続けながら闘病してきたが、2024年2月16日午後、急に容態が悪化してそのまま自宅で亡くなった。享年56歳。
2022年12月8日に封切られ全国公開された「恐解釈 桃太郎」のエンドロールには「叶井俊太郎に捧ぐ」のクレジットが入れられた。その後、サイゾー/エクストリームで、氏が手掛けた作品には全て同じようにクレジットしていくという。波乱万丈の人生を送った映画界の異端児が、その生涯を全うした。
最期の書「エンドロール」は、<末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の“余命半年”論>であるが、ここで語った通り、叶井俊太郎と宇川直宏、そして中原昌也は、活動黎明期より強烈な刺激をぶつけ合い、幾度となくコラボレートを重ねてきた盟友であった。収録時、中原昌也は糖尿病の合併症による脳梗塞で左半身が麻痺し入院中で、病床からの参加となったが、20年ぶりの3者での対話は、現代のポリコレ/コンプラではギリギリアウトであろう<不適切にもまぁまぁ程がある>当時と全く変わらぬエクストリームな、そしてこの上なき情愛と安堵感に包まれた<スカム駄話>となった。
この3者による対談だけではなく「エンドロール」は、映画監督から重鎮映画プロデューサー、著名ラッパーから覆面画家、小説家から特殊翻訳家まで、生前懇意にしていた多様な属性の文化人との<人生最期の対話>が収められており、故人にとっての集大成的プロジェクトになったのではないだろうか?この書籍は改めて叶井俊太郎が旅立った今こそ読まれるべき遺作となった。そして実は、我々DOMMUNEは故人の強い要望で、この書籍の中の<叶井俊太郎 x 中原昌也 x 宇川直宏> 「鼎談」の「映像」を番組形式で残していた。つまり死の数ヶ月前に撮影していたその映像をこれから哀悼の意を込めて公開する。総尺90分。
題して「エンドロール! THE MOVIE」。 この作品は、書籍「エンドロール!」の映画化ではなく、叶井俊太郎のエクスプロイテーション・ムービーのような人生を、超大作映画のような「エンドロール!」として鑑賞していただこうというハードコアなメタムービーなのである。
初公開は、2024年7月9日火曜日19時。会場はWWWX。「東京国際叶井俊太郎を送る会」のフィナーレとして、その最後のセクションで上映された。故・叶井夫人、倉田真由美氏と中原昌也、そして宇川直宏は、飛び入りのK ダブシャインとともに追悼座談会を行い、その後「エンドロール! THE MOVIE」の23分のShortVer.をDOMMUNE での配信に先駆け劇場公開した。
会場のWWWXは「アメリ」でミニシアターの記録を塗り替えた元シネマライズ。そう、叶井俊太郎の最晩年の生ける姿は「アメリ」と同じ劇場のスクリーンに映し出され、プレミア上映されたのだ。 我々は叶井にまるで現代アートのようなプロジェクトを最期に遺言として託された....。マルセルデュシャンの遺作「1.水の落下、2.照明用ガス、が与えられたとせよ」のように、死後開帳すべく作品を託された我々がどんな方法で世に公開するべきなのか?"什麽生(そもさん)!!!"と故人から問いを突きつけられたような状況下、中原昌也にも相談した上、ここに"説破(せっぱ)!!!"し、総尺90分の「エンドロール! THE MOVIE」を叶井の一周忌として世界初公開する。 これは故人の新たな<没後章>である!!!!!
今日、叶井俊太郎は、生ける屍のようにムービーファイルの中で蘇生する!!!!!!!!!!
Night of the Living Shuntaro...
Don't Rest in Peace, just Extream!!!!!!!
2025年2月13日 宇川直宏(DOMMUNE)
ENTRANCE | <この番組は関係者のみの収録にて構成しております。是非、ライヴストリーミングでお楽しみください!> |
---|