2026/06/23 TUE 20:00-23:00

「都築響一のスナック芸術丸」第七十六夜

踊る阿呆と見に行く阿呆—アジアの地べたのダンス・ミュージック

●ゲスト:Soi48(宇都木景一、高木紳介)●マスター:都築響一

「踊る阿呆と見に行く阿呆—アジアの地べたのダンス・ミュージック」 2026年のコーチェラはロックが25%、ヒップホップが7%、そしてDJや”ライブ・エレクトロニック・アクト”が45%だったという。いま音楽産業を支配するのはミュージシャンではなくDJとなった。そして一夜のプレイで数千万円という出演料を取るスターDJがその頂点に君臨する。そのいっぽうで、地べたにくっついたダンス・ミュージックがアジアのあちこちで生まれ、生きて、きょうもみんなを踊らせている。メガDJカルチャーの陰で、まったく、あるいはほとんど注目されることないままビートを刻み続ける、韓国と東南アジアの現場にお連れする3時間の特別プログラム!

第1部はポンチャックから始まり、トロット歌謡を経て、ついにたどり着いた韓国でもっとディープな、最底辺のトラベリン・ミュージック「プンバ」。ライブハウスでも、CDでも聴くことのできない、韓国の田舎の祭りの場でしか体験できない音楽の存在。ここ数年追いかけてきた取材の成果をまとめてお見せする。おそらくプンバが音楽としてきちんと取り上げられる、DOMMUNEはもちろん、日本のメディアで初の機会になるはず!
第2部はタイ東北部イサーン地方の土着音楽の探究からスタートして、いまや東南アジア全域のADM=アジアン・ダンス・ミュージックを渉猟する気鋭のユニット「SOI48」が登場!

Soi48のSoi=ソイとはタイ語で言う、大通りから伸びた小路。Soi48は宇都木景一と高木紳介のふたりによるユニットで、タイの民衆音楽であるモーラムやルークトゥンなどを2010年代から僕らに紹介してきた。遅れた地域の遅れた音楽、としか思われていなかったそれらの音源を、タイ語で「レコード買います」とプリントされたTシャツを着用し、ポータブルプレーヤーを抱えてホコリだらけの田舎を巡って探し出し、救い出してきた。
2012年頃からユニットと同名のDJイベントを始め、さらに田我流を擁するstillichimiyaのYOUNG-G、MMMらとともにOMK(ワンメコン)なるユニットを結成。「アジア各国の地下ヒップホップ・シーンからクラブ、ローカルなディスコまで潜入調査する集団」として、アジア各地で楽しくハードな調査行を続けてきた。

2017年にタイ伝統音楽の「教科書」とも言える『TRIP TO ISAN 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』の執筆を終え、いまSoi48は仲間たちとともに、タイ、ベトナム、ラオス、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、台湾、韓国、日本を旅しながら、各地のナイトクラブやフェスティバル、シークレットレイヴ、移民労働者向けディスコに通い詰め、関係者たちとの交流を深めながら、その知られざるクラブカルチャーの秘景を記録し続けている。
先ごろ自費出版された『ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture』には、世界的な隔離期間を含む2017年から2025年のあいだに撮影され、アジア各地域で愛され、育まれてきた「ADM」の生態を写し出した貴重なヴィジュアル・アーカイブが収められた。現地に足を運ぶことでしか得られない独占的なスナップショットの数々は、それぞれの地域のダンスミュージック愛好家たちがもつ創意工夫・機知・情熱の結晶を照らし、均質化するグローバリゼーション中で、またべつの未来を予感させてくれる。

世界の巨大フェスをプライベートジェットで今日はラスベガス、明日はイビサと飛び回り、一回のプレイで数千万円から億のギャラをとるスターDJたちの動画がネットにはあふれている。そういう「トレンディとされるダンス・ミュージック」の動画を見るたびに、なんだかどれも一緒に聞こえる虚しさを感じるのは僕だけだろうか。
「使える一枚」を高額な値段で入手する、というDJの生存術がADMのデジタル音源では通用しない、とSoi48は言う。レアなアナログレコード談義にふける高尚な音楽マニアがいるいっぽうで、魔改造されたデジタル音源でタイやフィリピンやベトナムやインドネシアの道端に、そこらのキッズを踊らせてるDJやトラックメーカーがいる。
いま、この瞬間にアジアの街角で、地べたで生まれつつある音楽のかたち。コーチェラでもSpotifyでもなく、ADMにもっともふさわしい場所は現場にしかない。アジアの場末の地べたにしか。
なので第3部ではSoi48によるADMに特化したDJプレイを1時間、たっぷりお届けする。こんなふうに世界を征服する前のAppleが唱えた「computer for the rest of us」のように、いま「ほかのみんなとちがう僕らの音楽」=真のオルタナティブに踏み込むDOMMUNE 「都築響一のスナック芸術丸」第七十六夜、3時間。じっくりお付き合いいただき、終わったあとは街に出てほしい!

PROGRAM INFO
ENTRANCE ¥1,500(超エクスクルーシヴ限定50人のスタジオ観覧者を募集しています!!!!! 当日、直接スタジオにお越しください!!!!!)
PLACE 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
15-1 Udagawa-Cho Shibuya-ku Tokyo 150-0042|Shibuya PARCO9F「SUPER DOMMUNE」
SUPER DOMMUNE FLOOR GUIDE  MAP
  ■ ご来場者はカメラに映る可能性がごさいますので、ご了承のうえご参加ください。
■ スタジオには、クロークやロッカーございません。手荷物は少なめでご来場のうえ、ご自身での管理をお願いします。
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